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ひとり親の子供は寂しい?職員からみた実態と気持ちに寄り添う工夫を紹介

MEMO
こちらの記事は放課後等デイサービスでの勤務歴10年以上のベテランさん(タマ先輩)にインタビューをして執筆しています!

ひとり親世帯の生活は大変ですよね。

1人で父親と母親の役割を果たさないといけないということは、家事に育児にと、生活費を稼ぐために働くことも全部しなくてはいけないということになってしまいます。

全てを完璧にこなすのは到底できませんが、生活していくことで手一杯になって子供たちに寂しい思いをさせてしまう、きつく当たってしまうということは避けたいですよね。

でも、子供たちは親の姿をしっかり見ています。

自分のために頑張ってくれていることも知ってるんですよ。

私の実家は、ひとり親ではないですが、ずっと父親が単身赴任をしており、高校までは家に母親しかいませんでした。

父とはいつでも連絡できる状況でしたが、毎日顔を合わせるのは母だけで、いつも私のために色々と頑張ってくれていた印象があります。

 

最近、ゆっくり子供たちと話せてないな、怒ってばっかりだなと、感じている方は心配しなくても大丈夫です。

なぜなら、子供たちと楽しい生活を送りたいという気持ちを持っているステキな親御さんだからです!

では、楽しく毎日過ごすためにどういう風にしたらいいのかを一緒に考えていきましょう。

今回は、放課後等デイサービスでの勤務経験をもとに、ひとり親の子供の寂しさや気持ちに寄り添う工夫を紹介していくからね!

タマ先輩

りりぃ

タマ先輩、よろしくお願いいたします!
この記事でわかること
・ひとり親の子供は寂しい気持ちを抱えている?

・職員から見たひとり親世帯の子供の実態とは?

・ひとり親世帯の子供の気持ちに寄り添う工夫を紹介

・まとめ

この記事では、寂しさを抱えた子供への対策や気持ちに寄り添う工夫についてまとめています。

ひとり親の子供は寂しい気持ちを抱えている?

みんな言っていることや態度は違うけど、職員としてみていて感じるのは、寂しさを抱えているということなんだ。

タマ先輩

ひとり親の子供といっても、子供によって「自分の中で今の状況を受け入れようとしている子」や「現実逃避をしたがっている子」、「全く理解できない子」、「学校の友達に離婚が何かを聞いたけどそれが自分の身に起きていると思いたくない子」など、いろいろな考えをもつ子供たちがいます。

ですがみんな、寂しい気持ちを抱えているのですね。

 

ひとり親になってしまうと、優先順位が変わってしまいます。

最優先事項は、「生活していくこと。」「子供に教育を受けさせること。」など。

そうです、お金を稼ぐことが一番大切な問題になってしまうんです。

でも、現実問題としてそれは、当然のこと。

実際、収入が少ないと、生活が苦しくて子供に辛い思いをさせてしまうかもしれません。

更に、子供の進学などの選択肢を狭めたり、才能を伸ばしてあげられなかったりと、子供の未来を奪ってしまう可能性もありますよね。

親御さんは、ひとり親だからという理由で子供を苦しめたくない、未来を奪いたくないと思われているはず。

そんな状況を避けるために、親御さんは必死で働きます。

実際に私も、親として子供が望むことは全て叶えてあげたいので、毎日一生懸命働いています。

正社員やパートの掛け持ちなどで、朝から晩まで働かれている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

その親御さんの気持ちは、子供たちにしっかり伝わっています。

毎日仕事でクタクタの親御さんを助けるためにお手伝いをし始めたり、祖父母宅で過ごしたりと、負担をかけないように子供たちは自分にできることを必死で考えて行動しているんです。

 

全ては、大好きな親御さんに負担をかけないように、苦しめないように、自分から心が離れてしまわないように・・。

だから子供たちは、本当に伝えたい自分の気持ちや願望を口にしない場合が多いんです。

実際に私も、子供のころは父が単身赴任でずっと家にいなかったので、母がパートをしながら家事も全て行っていました。

疲れているのに家のこともしてもらうのが申し訳なく、話したいことがあってもあまり伝えられませんでした。

 

放課後等デイサービス職員から見たひとり親世帯の子供の実態とは?

例えば、両親の離婚の場合、理解しているようでできていないことも多くあるんです。

そして寂しい気持ちを必死に隠しています。

この傾向は、年齢が低いほど多くなります。

親御さんの前では、分かっているふりをしているだけかもしれません。

親御さんとの面談では、「子供には、離婚のことは話しているから。」「理解してくれているから。」と聞いていても、子供の口から出る言葉にはクエスチョンマークがたくさんついているということがたくさんあるんだよ。

タマ先輩

 

「なんで、私たちだけが(片親を残して)引っ越すの?」「僕は、〇〇(片親)さんと公園で遊ぶのが好きなんだ。だけどもう遊んだらダメって言われた。なんで?」「(片親)はいつまで帰ってこないの?」「りこんって別々に暮らすことなの?」などなど、子供はあまり状況を理解していません。

 

福祉の仕事に長く携わってきたけど、未だに答え方が分からない質問がたくさんあるんだ。

タマ先輩

りりぃ

施設で10年以上働いているタマ先輩でも答えられない質問があるんですか⁉

 

正解が分からない問題もそれ以上にたくさんあるんだけど、、そのうちの一つが、純真な子供がまっすぐこちらを見てぶつけてくるこれらの【両親の離婚に伴う生活の変化】についての疑問の数々なんだ。

タマ先輩

りりぃ

確かに。

いきなり環境が変わってしまったら混乱してしまいますよね。

 

子供たちが育ってきた環境や親、家庭環境、性格など、今まで経験してきた事も、考え方も、能力も・・みんな違います。

1人として同じ人間はいません。

だから、子供の身近にいる大人(親)として、様々なデリケートな問題にどのように対処していけばいいのかとても難しいのです。

そして子供は、親御さんの愛を失いたくないから理解しているふりをしているだけで、本当は、何もわかっていないことが多いです。

 

施設で面倒をみている子供たちの中には、自分は片親に捨てられてしまったのだと思い込んで、次に捨てられたら自分一人になってしまうと怯えている子供もいるんだよ。

タマ先輩

子供は、寂しさだけでなく、不安も抱えているのですね。

私も小学生のころ、父が休暇で実家に戻ってきた後また仕事に戻るために駅まで見送りに行くとき、「もう二度と会えないんじゃないか」と泣いていました(笑)

駅

電話したらすぐに父は電話に出てくれるのに、当時は父が実家を離れるというのがすごく辛かったんですよね。。

 

ひとり親世帯の子供の気持ちに寄り添う工夫を紹介

実際の事例を紹介❕

タマ先輩の働く施設でこんな事例があったそうです。

タマ先輩の働く施設にいた子供
小学校低学年の男の子で、お母さんと2人暮らしをしています。

お母さんは、平日はもちろん週末や祝日も仕事に行っています。

子供は、学校が休みの日は、託児施設を利用しています。

 

この子は、自分より弱い子や小さな子に対して、大声で悪口を言ったり、嫌がらせをしたり、ひどい言葉で相手を傷つけたりと、周りのお友達に対しての威嚇行為が止まりません。

注意をすると、職員に対しても威嚇をしてきます。

気持ちが高ぶっているときは何を言っても彼の心に届かず、クールダウンさせるために別室に移った後は、ただひたすら待機。

 

落ち着くと心優しい素直な子に戻ります。

子供が落ち着きを取り戻した後に、何があったのか、その時どんな気持ちになったのか、小さな子にいじわるしたことを今、どう思っているのかなど、とにかく彼の気持ちを聞くことに専念したんだ。

タマ先輩

 

「さぁ、聞くよ、何でも話してごらん。」

という気持ちが伝われば、たくさん質問しなくてもどんどん話してくれます。

彼は、自分の気持ちを吐き出す場所がほしかったのです。

だけど、そんな機会がなくて間違った方法でSOSを発信してたんですね。

 

その後、同学年の子に聞いてみると、学校ではイジメられている立場だったそうです。

学校では、自分が太刀打ちできない子に同じことをされていたから、その憂さ晴らしだったんですね。

助けてと言えないから、苦しいからいけないと知りつつやってしまって、後で落ち込んでしまうという繰り返し。

職員会議の結果、言葉がけの方向性を変えることになったんだ。

タマ先輩

本人に自信を持たせて、堂々としていたらいいんだよ、あなたはいいところがいっぱいあるんだから今のままで十分だよ、という事を伝え続ける作戦を決行。

更に、いい行いがあったら全職員で盛大に褒めたたえます。

 

そんな白々しい作戦が通じるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

私も話を聞いたときは、「そんなことで?」と思いました。

確かに、この作戦が通じない子もいるよ。

みんなにこの作戦が通じるわけではないんだ。

この子の特性を把握しているから出てきた案であって、この男の子用にカスタマイズした支援方法ということになるね。

タマ先輩

 

そして、この子専用作戦はちょっとずつ効果が出てきました。

まず、威嚇行為が徐々に減ってきて、感情的になることが少なくなってきたんです。

するとこの子が本来持っているいいところが前面に出始めます。

率先して活動の準備や片付けを手伝ってくれたり、お友達が失敗しても励ましの言葉が出てきたりと、「あれ?別人??」って思うくらいの変貌ぶり。

そして、そのうち思ってもない言葉が彼の口から出てきたそうです。

「お母さんと一緒に過ごす時間が少ないのが寂しい。」とポロっと本音が出たのです。

 

お母さんと面談をして今までの経緯や学校でのことを話してみると、お母さんは今まで我が子の気持ちを知らなかったと涙を流したんだ。

タマ先輩

それ以降、お母さんは、子供を気にかけるように努力します。

家を出る前には子供を抱きしめるようにし、食事も可能な限り一緒に食べるようにして話す機会を増やしたそうです。

 

この子に一番必要だったのは、周囲の白々しい誉め言葉ではなくてお母さんとの時間。

ぎゅっと抱きしめてあげる愛のこもったスキンシップだったんです。

スキンシップの大切さについては、以下の記事でお伝えをしていますので確認をしておきましょう☺

気持ちの切り替えができない小学生への対策は?特性を見極めて関わる方法気持ちの切り替えができない小学生への対策は?特性を見極めて関わる方法

今では、威嚇行為はなくなり、おもちゃを他の子に取られても「まあいいか。」と言って他の遊びをしているそうです。

職員に対しても、丁寧な言葉で話せるようになっています。

学校では、他の子たちのグループに入っていて対等な友達関係が築けているようです。

 

作り話みたいですよね?全て実話なんです。

お母さんの愛情を感じるだけでびっくりするくらい子供は変わります。

このお母さんのちょっとした一言や行動だけで子供は満たされますし、お母さんがすぐに行動に移したことで、大きくこじれることがありませんでした。

 

子供の気持ちに寄り添う方法を紹介

まずは子供の気持ちをしっかりと受け止めてあげましょう!

職場で子供に接するときは、とにかく気持ちを受け止めたり、別の方向に話を切り替えたりして、余計な発言は控えるように心掛けているんだ。

タマ先輩

子供の気持ちを受け止めてあげることで、少しずつ子供は心を開いていきます。

そして、少しずつ子供とゆっくりと会話をしていきましょう。

会話の中で子供たちは、何度も同じような質問をしてきますが、焦らず同じように返答しましょう。

このようなやりとりを繰り返していくうちに、子供がどういう答えを期待しているのか察しがつくこともあります。

毎日ちょっとずつ子供とコミュニケーションをとることで、子供の気持ちを少しずつ知ることができます。

 

まとめ

寂しさを感じている子供に接するときのポイント
子供は、親御さんのことが大好きで、全て見ています。

理由は分からなくても、大好きな親御さんの言うことは聞かないといけない、自分は親御さんを悲しませてはいけないと考え、家庭事情など複雑な状況を理解をしているふりをしています。

だからこそ、子供に対する言葉がけを意識してみたり、子供を気にかけることが大切です。

子供は寂しくても、平気なふりをしてみせているのではないでしょうか。

いろいろな心の葛藤や学校での人間関係など子供なりに悩みや苦しみを抱えていますが、発散方法が分からない、相談の仕方も分からない。

そんな中で、苦しくて他者に威嚇する子もいるのです。

本心は、心のずっと奥に隠れています。

繊細な本心を守る固い殻は、時間をかけてゆっくりはがしてあげましょう。

乱暴な言葉や行動などの裏には、その子の本当のメッセージが隠れています。

親御さんの愛情をたっぷり与えてあげてください。

子供にとってこれ以上の特効薬はありません。

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