壮大なスケールで話題をさらった『VIVANT』。
注目の中、第2話が放送されました。
そして謎だった『VIVANT』の意味が明かされましたね。
自衛隊の精鋭が所属する組織、「別班」ではないか、ということでした。
この「別班」とは何か？実在する組織なのか？気になりますね。
そこで、別班について調べてみました。
・VIVANT＝BEPPAN「別班」とは何か
・別班は本当に実在するのか
・「別班」と「別室」の違い
ぜひ参考にしてみてください♪
もくじ
VIVANTは日本語で別班という意味だった!
先ほど述べた通り、『VIVANT』はフランス語ですが、実際はBEPPAN、「別班」であることが明かされました。
公安外事部の野崎（阿部寛さん）は自衛隊の諜報部隊だと説明していましたね。
ドラマ『VIVANT』は、もちろんフィクションですが、実際に日本にそういった組織が存在するのでしょうか？
自衛隊の諜報部隊「別班」とは?
以前から陸上自衛隊には、情報部の中に別班と言われる非公然の組織があるとうわさされています。
別班とは何をする組織なのでしょうか？
結論から言うと、「自衛隊が持つ非公認・非公然のスパイ組織」と言えると思います。
主に海外で身分を隠して諜報活動をしている精鋭部隊が別班という、以前から存在がうわさされている組織です。
ではなぜそんな組織が必要なのでしょうか？
防衛の基本は情報戦
国家間戦争だけではなく、テロなどの国家に対する脅威に対抗するためには、情報が欠かせません。
どんなに優れた兵器、兵士を持っていても、情報がなければ効果的に運用することはできないのです。
それに、戦争を起こさないため、自国を守るためには情報をつかみ、優位に利用することが重要なのは当たり前のことです。
大事な情報を得るために、危険な橋を渡るような仕事をしている人がいても、おかしくはありません。
対外的な情報機関については、イギリスのMI6が有名ですが、存在は知られていたものの、国家が公式に存在を認めたのは1994年。
アメリカには有名なCIAがありますが、職員の数や膨大な予算の使い道など、公になっていないことがいろいろあります。
国家が公式には認めていない諜報機関があるのは、そんなに珍しいことではないのかもしれませんね。
別班の前身は旧日本陸軍中野学校?
対して日本の場合はどうでしょうか。
日本にはかつて、日本陸軍のなかに中野学校と呼ばれた教育機関があったのは、割と有名ではないでしょうか。
以下からは、『陸軍中野学校全史』を参考にどんな教育をしていたのかをお伝えしていきます。
中野学校とは、諜報・謀略・防諜などの秘密戦に関することを教育する機関、スパイ養成機関でした。
そのために軍事や語学、武術はもちろん、細菌学や薬物学、心理学などの科学的な学問、政治経済、思想、宗教まで学習範囲は広がりました。
さらにはスリの名人の講義があったと言われています。
ありとあらゆる物事を学ぶのに、ノートを取らずすべて暗記したといううわさを聞いたことがありますね。
証拠を残さない訓練の一つだったと聞きましたが、この話は本当かどうかわかりません。
終戦から30年後、フィリピンから帰国したことで有名な小野田寛郎少尉も中野学校二俣分校の卒業生なんですよ。
小野田寛郎少尉（中央手前）※引用：TOKYO HEADLINE WEB
別班の班員が受ける教育
では、現代の別班はどんな教育を受けているのでしょうか。
隠された組織なので全貌は分かりませんが、『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』によると、全員が心理戦防護課程修了者だそうです。
これは陸上自衛隊情報学校（旧調査学校→小平学校情報教育部）にある教育課程の一つです。
内容は、心理戦だけではなく潜入訓練や遊撃戦など、総合的な特殊作戦を扱っていたと言われていますが、現在も同じ教育内容かどうかはわかりませんでした。
別班の存在は総理大臣も防衛相も知らない
別班員は他の省庁の国家公務員や商社マンなどに身分を偽装して海外で活動していると言われています。
万が一のことがあった時に責任が及ばないように、陸上幕僚長、情報本部長には出所を明らかにしないで情報が上がっているそうです。
総理大臣も防衛大臣も存在すら知らなかったと言われています。
別班は都市伝説で実在しない?
別班のうわさがささやかれている一方、そんなものは存在しない、都市伝説のようなものだと言う人もいます。
その根拠は何でしょうか？
衆議院での政府答弁で「存在しない」とされている別班
平成25年、衆議院で別班について質問が出たことがあります。
この時、総理大臣の名前で答弁書が出されていて、
これまで自衛隊に存在したことはなく、現在も存在していないことが確認されており
(出典：衆議院答弁本文）
となっています。
つまり、公式にはそういう諜報組織は日本には存在しません！ということですね。
You Tuberのラファエルが別班に所属していた!?
引用：X
別のうわさでは、You Tuberのラファエルさんは、筋肉質な美ボディを持っていますが、その筋肉は自衛隊に入隊していたころに身につけたと言われています。
また、「存在しないことになっている部隊」に所属していたと言われていました。
ラファエルさん自身がABEMAの番組『しくじり先生』でおっしゃっていますね。
You Tubeでは盗聴部隊にいた、とも言っていました。
このことによって、電波情報の傍受を受け持つ「別室」と混同されたのではないかと思われます。
調べてみると、実際は通信科に配属されていたのでは、とのうわさが出てきました。
通信科の仕事は以下の通り。
各種通信電子器材をもって、部隊間の指揮連絡のための通信確保、電子戦の主要な部門を担当するとともに、写真・映像の撮影処理等を行います。
（出典：陸上自衛隊ホームページ）
通信科の職種に就いた自衛官は最初に各方面隊の通信隊に配属されるのが普通だと思います。
通信隊は敵の傍受もするはずですから、盗聴と言えなくもないですね。
さらにラファエルさんは4年で除隊しているようなので、国家機密に関わる特殊任務である別室や別班にいたとは考えにくいと思います。
別室については後述しますが、隠されてはいない課ですし、別室が所属する情報本部電波部と通信隊は全く別のものです。
「存在しないことになっている部隊に所属していた」という発言自体も、ラファエルさんのネタではないか、と言われています。
別班と別室の違い
似た言葉の「別班」と「別室」。
混同されがちなこの2つにはどういった違いがあるのでしょうか。
人を介した諜報活動をする「別班」・電波情報の傍受をする「別室」
情報収集には2種類あって、人間を媒介した諜報と電波情報の収集・分析とがあります。
「別班」は今でも公式には存在していない、非公然の組織であり、班員は自分の身分を隠して情報収集をしているところが大きく違います。
大使館にいる防衛駐在官とは違い、自衛官であることを隠し、外務省の外交官として、または一般企業の会社員として、海外に潜伏しながら情報を集めていると言われています。
一方、「別室」と呼ばれていたのは、現・情報本部電波部で、かつては陸上幕僚監部調査部調査第2課別室（調別、二別とも言われる）のことです。
この部署は、陸上自衛隊のほか、海上自衛隊、航空自衛隊の情報機関が集められたもので、防衛省の情報機関として組織図にも載っています。
※引用：自衛隊情報本部ホームページ
ヒューミントとシギントの違い
諜報活動や組織の話によく出てくる「ヒューミント」と「シギント」。
この二つについて少しふれておきます。
ヒューミントとは、人間が媒介している諜報のことを言い、「別班」が行う諜報活動はヒューミントにあたります。
活動は聴取や連絡から尋問、ハニートラップまで含まれます。
いわゆるスパイと聞いて思い浮かぶような、人を介する活動がヒューミントに分類されます。
一方シギントとは、主に通信電波による諜報のこと、「別室」が行う活動と言えます。
活動は傍受や盗聴、暗号解読、また潜水艦や艦船の水中武器の音響情報収集もシギントに入ります。
2001年に報道された、アメリカのエシュロンでの情報収集がシギントの大規模な例と言えるでしょう。
まとめ VIVANTから目が離せない!
いかがでしたか？
今回は『VIVANT』の正体と思われる、「別班」について調べてみました。
別班が乃木（堺雅人さん）たちにどう絡んでくるのか、わくわくしますね♪
第2話のラストでは、薫（二階堂ふみさん）が姿を消してしまいました。
薫は無事なのか、乃木たちは日本に帰ることができるのか…気になる第3話をお見逃しなく！
