2023年12月20日に明るみになったダイハツの認証申請の試験不正問題。
試験項目25種類174件の不正行為があったと発表されたことで、ユーザーに不安や困惑が広がっています。
今回は、不正行為が確認された車種に乗り続けて大丈夫か、新車購入の契約をしていたり、商談を進めている場合はどうなるのかなど、不安の対処法をご紹介したいと思います。
・ダイハツ車にこのまま乗り続けて大丈夫か
・ダイハツの不祥事|不安の対処法
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
ダイハツ不正車種に乗ってて大丈夫?
車に乗るうえで、安全性能を重視するのは当然のことだと思います。
ダイハツが不正行為をした試験の中には、安全性に関わるものもあったため、不安に感じている方も多いでしょう。
ですが、現在市場に出ているダイハツ車、ダイハツがOEM生産したトヨタ、スバル、マツダの車もダイハツが社内で安全性を確認しています。
安全性の確認試験のプロセス、検証結果は第三者認証機関であるテュフ・ラインランド・ジャパン株式会社も確認していることを公表しています。
テュフ・ラインランド・ジャパン社は世界的な認証機関として知られており、検査内容も厳格で同社に認められることはひとつの信頼の証と言えるほどの権威を持っています。
今回、ダイハツ・トヨタが再度調査しなおした項目は90万件。
この調査により174個の不正行為が判明し「キャスト/ピクシスジョイ」の1つを除いて安全に問題ないことが確認できています。
「認証を通らない危険な車の数値を捏造した」ケースは報告書には見当たらないようです。
すでにダイハツ車に乗っているユーザーが、普通に使用している分には直ちに危険が生じるわけではない、と考えていいと思います。
トヨタの豊田章男会長はこのように語っています。
「一度信頼を失っている中ではあれですが、まず認証の中で不正がありました。
そのためまず必要なのは174項目をひとつひとつしっかり説明することが大切です。
不正なものは第三者機関も含めてしっかりやり直すこと。
基本は『すぐに乗るのはやめてください』というものはないです。
ただ、リコールが出たら速やかにディーラーに連絡を頂きたい。
リコールの内容はしっかりと聞いてほしいです」
(引用:くるまのニュース)
豊田章男会長が言ったように、リコールが出たら速やかに販売会社に連絡をすることが大切です。
しっかり検証しているので、今まで通りに乗っていても大丈夫ですが、リコールなどが出ることもあるので、情報には注視しておきましょう。
ダイハツ|不安の対処法
さて、今回の不祥事によって、ダイハツは信頼を失墜してしまいました。
様々な不安をお持ちの方がいらっしゃると思いますので、対処法を調査。
※主に月刊自家用車WEBの記事を参考にまとめました。
順にご説明していきますね。
今ダイハツに乗っているけど乗らないほうがいい?
先ほど述べたように、安全性能については確認がされていますので、キャスト/ピクシスジョイ以外の車種はそのまま乗り続けて問題ありません。
キャスト/ピクシスジョイの不具合も、原因解明を進めているので、修理が必要ならばリコール情報が出ると思われます。
リコールの情報については日ごろから注意しておくことをおすすめします。
ダイハツのリコールなどの情報は下記のリンクから確認できます。
購入の契約をしたけれどキャンセルしたい。できる?
一般的に新車購入の商談が終了すると、ユーザーは注文書(実質的には売買契約書)にサインをします。
この時点で販売店はメーカーに発注をして納車を待ちます。
納期は車種やカスタムによって変わります。
今回の場合、不正発覚により出荷停止になっているので、出荷(生産)前なら『事情を説明して契約の取り消し』を販売店が申し出ることになります。
その時に契約を取り消すことを伝えれば、キャンセルすることは可能です。
また、OEM車の購入契約の場合は、他の車種に変更を進められることもあるようです。
支払う総額が増えてしまう場合もあるでしょうから、担当者に値引き額や支払総額を元の車と合わせてほしいなど、要望をしっかり伝えましょう。
不正対象車種の商談中…今後どうなる?
ほとんどの販売店が不正対象車種の商談を中止しています。
ダイハツは「販売の再開については未定」と伝えているようです。
まだ商談が進んでいなければ、先ほど述べたように『契約の取り消し』を販売店側から申し出てくると思われます。
決まっていた納期が延期される場合、すでに販売店に納車されている場合は販売店ごとに対応が変わると思いますので、担当者と相談することをおすすめします。
OEM車のトヨタの場合、対象車種のライズを検討していた人には新型のヤリスクロス、ルーミーを検討していた人にはシエンタへの変更を勧めている様子。
検討してくれるようなら、お詫びも込めて値引き条件を上乗せして売り込む、とあるセールスマンが言っていたそうです。
OEM車の場合は似た対応を考えている販売店が多いと思いますので、よく考えて、後悔のないようにキャンセルするか車種変更するかを決めてくださいね。
損害賠償(ペナルティ)的な補償を受けられる?
ダイハツ車と各社のOEM車は「注文は受けたが納車はできない」状態に陥っています。
売る側の一方的な理由で解約するのだから「損害賠償(ペナルティ)的な補償を受けたい」と思うかもしれません。
ですが、契約の時に交わした注文書の内容は売る側が自由に決められるので、都合のいい約款(特約事項)が存在することがあります。
それには『注文する側(販売店)の事情で契約解除する場合、損害賠償は支払わない』といったような一文が入っていたりします。
買う側には『キャンセルしたら損害賠償請求する場合もある』となっていたりするのでずいぶん身勝手に思えますが、購入者側はサインしてしまっています。
つまり、『約款を了承した』と判断され、販売店側は『ペナルティを要求されても応じない』という原則が成り立ちます。
今回の場合はどうでしょう。
セールスマンは以下のように答えたそうです。
・丁寧に謝罪をし、注文の取り消しをお願いする
・申込金はもちろん全額返金する
・納車できないことによって生じた金銭的な補償についてはおそらくご容赦願うことになる
今一度、注文書(売買契約書)の特記事項を読んで、どのような契約内容になっているか確認してください。
その上で損害の補償をしてもらえるか、担当者や販売店と話し合う必要があると思います。
新車は来ないが車は売ってしまった。責任を取ってもらえる?
納車待ちだった購入者の中には「新車が納車されることを見越して手元の車を買い取り専門店に売却してしまった」という人もいるかもしれません。
『新車は来ない、手元の車は売ってしまった』となると、売る側の問題でこんなことになったのだから責任を取ってほしい、と言いたくなりますね。
ですが、納車前に買い取り専門店に売却したのは購入者の判断なので販売店は責任を持てません、とされてしまう可能性が高いです。
新車を購入する販売店が納車前に下取りした車を引き取っていた場合は「契約を破棄したのだから、下取り車を返してもらいたい」と請求できます。
販売店側でも、トラブル防止のために下取り車を納車前には売却せず保管していることが多いらしいです。
販売店側がすでに下取り車を売却済みの場合は、同等の中古車を探してもらうなどの対応してもらうことはできそうですね。
下取り車が車検切れに。車検代はどうなる?
手元の車が車検切れになるタイミングで新車を購入する人は多いと思います。
例えば、1月に納車予定だったけれど出荷停止で新車が入手できなくなったが、手元の車の車検が2月に切れてしまう、他の新車も2月には間に合わないので急遽車検を通すことになった場合。
販売店側も想定していなかったケースなのか、はっきりとしたことを答えたセールスマンはいなかったそうです。
ただ、「別の車を契約してくれるなら、販売店側の負担で車検を通すことになるだろう」と答えたトヨタのセールスマンがいたそうなので、販売店によるのかも。
通常なら車検を通さずに済むように予定を組んでいたのに、急遽車検を通すことになった場合は、車検費用を販売店が負担してくれるのか、問い合わせてみるといいでしょう。
ここまでは『出荷前の契約』についてでしたが、すでにダイハツ工場から出荷済みの場合は事情が変わってきます。
これからは『出荷済みになった車』についてご説明します。
すでに出荷済みの車はどうなる?
ダイハツは「すでに出荷済みの車についての対応は販売店に任せる」とのことで、トヨタやスバルも同様の対応になりそうです。
安全性は検証試験のプロセス・結果を第三者認証機関が確認しているので、問題ないと考えていいと思います。
注文した車がすでに販売店に届いている(届く予定)のケースは「安全性には問題ないのでこのまま購入してください」と言ってくるとみていいそうです。
その際は、お詫びの気持ちとして値引きに応じたり、付属品の無料サービスを付けたりすることもあるとのことですが、金額は数万円程度。
余りに無茶な金額を請求すると、応じられないと拒否されるのでご注意ください。
ナンバーをすでに取得した車はどうなる?
不正対象車種の車を陸運局に登録(車両ナンバーを取得)してしまった場合は販売店にとって深刻な問題です。
通常なら登録後のキャンセルは「すでに購入者の車なので応じられない」と拒否されます。
ですが、今回のケースでは「安全性の確認が取れない車に乗りたくない。購入をキャンセルする」と購入者が申し出た場合、ほとんどの販売店はキャンセルに応じる可能性があるそうです。
原因が不正のため、登録後であっても無条件でキャンセルを受け、もちろん申込金などは全額返金するとする販売店が多い様子。
ただ、乗っても問題ないことを説明して引き取ってもらえるようにすると答えたセールスマンも多かったそうです。
このケースも先ほどの出荷済みの車の対応ように、お詫びとして値引きや付属品の無料サービスに応じる可能性が高いです。
困ったときは
販売店とトラブルになってしまったり、対応が納得いかない場合は、消費者生活センターに相談してみることを考えてみてください。
消費者ホットライン | 188(全国共通) | 最寄りの相談窓口を案内 |
平日バックアップ相談 | 03-3446-1623 | 平日10時~12時 13時~16時 |
国民生活センター 休日相談 |
188(全国共通) | 土日祝日10時~16時 |
各地の消費生活センター | 相談窓口あり | 都道府県別一覧 |
消費者ホットラインがつながらない場合、平日バックアップ相談を案内されます。
各地の消費生活センター以外は、直接の来訪や文書での相談は受け付けていませんのでご注意ください。
買い替え費用は?買い取り価格は?
現在ダイハツ車に乗っていて、他社の車に買い替えたいと考えている方もいるかもしれません。
ですが、今はダイハツの買い取り価格が下落している可能性があります。
車を購入する際、買い取り価格は買い替え費用に大きく影響するものだと思います。
ですので、今ダイハツ車を買い取り専門店に出して買い替えるのは得策ではないかもしれません。
下取り価格は買い取り価格よりも低い価格で推移するのが通常なので、さらに得策とは言えないと考えられます。
国土交通省が、確認試験をして基準を満たしていると確認できた車種を順次発表していくと発表しています。
国が安全性を認めた後は、買い取り・下取り価格が戻ってくるのではないかと考えられるので、買い替えるならその時期を待つ方がいいのではないかと思います。
インターネットで買い取り・下取り費用をこまめにチェックしておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?今回は不祥事に揺れるダイハツをめぐる来る前の不安への対処法をご紹介しました。
原則、販売契約については販売店と購入者のことになるので、販売店によって対応が違うことはご了承ください。
安全性に関わる不正だったことで不安に思う方は多いと思います。
ですが、不正内容を見てみると、安全性はクリアしているが確実に認証試験に合格する余裕を持たせるために不正をしたケースが多いのです。
実際、不正対象となった車種がその後、J-NCAP(国土交通省と自動車事故対策機構が実施する安全性能アセスメント)の衝突安全評価で4つ星を獲得しています。
ユーザーである私たちは、いたずらに不安がるのではなく冷静に対応することが大事なのではないでしょうか。
そのためにも、ダイハツには正しい情報を詳細に、かつ速やかに発信してほしいですね。